続編 第四話  <No.12>



サンフランシスコへ行くと想定した場合に必要な燃料の搭載量は 100+6+1+4=111トンとなる.しかし,これだけだと,サンフランに着陸 し燃料補給をしなければならず,ロサンゼルスへの飛行を継続できる可能性はほとんどない. そこで,次のような計算も同時にするのである.

TREVR上空到達時にいくら燃料が残っていれば,新規につくるフライトプラン でロサンゼルスへ飛行を継続できるか,即ち,TREVRからロサンゼルスへの TRIP FUEL が  8トンなので 8+1+6+4=19トン,つまり19トンあればロサンゼルスへ 飛行を継続できるのである.ここで,CONTINGENCY FUEL が僅か1トンになっている 事に注目していただきたい.TREVRからロスまでは飛行時間は一時間そこそこ であるので,その一時間のためのCONTINGENCYは10%としても6分, したがって1トンもあれば充分である.そこで,TREVR上空でロサンゼルスにいくため には,どうしても必要な燃料は 19トン, それに離陸後にTREVRまで使うであろう97トン を足すと116トンになる.

この116トンを搭載していれば,予定どおりTREVR上空に到達できたときには 19トンの燃料があるわけで,したがって,ロサンゼルスへ飛行を継続できる のである.19トン残っていなければ,どうするか? 勿論,サンフランシスコへ 着陸することになる.

正規の手段によるロスへのフライトプランでの燃料必要量は 105+6+6+4 で121トンなので,これで5トンの燃料を減らせる事 になる.この5トンは何処から捻出されたかというと,CONTINGENCY FUEL が6トンから1トンに減ったからにほかならない. ここまで読まれた読者は なーんだとおもわれるかもしれないが,手品と同じで種をあかせば,なーんだ となるのである.斯様な面倒な計算をして,減らせる燃料が5トンかと思われる かもしれないが,この5トンによっておおよそ50人の乗客に乗っていただける ことになる,しかも,一応目的地をサンフランシスコとしががら,ロサンゼルス へむけて合法的に出発することができるのである.

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