続編 第四話  <No.11>



これでは,判りにくいであろうから,いままでに使ってきた数字をつかって 説明をしよう. まず,363トンの離陸重量で 離陸してロスに行く場合の必要な燃料搭載量は125トンであるとした.この 時の内訳はロスまでの TRIP FUEL が109トン,もろもろの予備の燃料の 合計が16トンであった.ところが,滑走路のスラッシュの所為で離陸重量が 333トンに制限されるとしたから,離陸時の機体の重量には30トンの差が あることになる.30トンも重量が違えば,離陸,上昇どきに燃やしてしまう 燃料の量に大きな差があるし,また巡航でも10時間ちかく飛ぶとなると かなりの違いが生じる.従って,ここでは TRIP FUEL が 4トン減り, 105トンとなったことにする.同時にサンフランシスコを目的地とした場合, そこ迄の TRIP FUEL が100トン,サンフランシスコすこし手前のウエイポイント TREVR をDP(DECISION POINT) として,そこまでのTRIP FUEL を 97トンとする.
このような燃料の計算,つまりフライトプランの計算様式はジェット の場合はESAD (Equivalent Still Air Distance) と WRT (Weight Reduction Table) を使って計算するのだが,これの説明は別の機会にゆずるとして,今は リクリアランスフライトプランの話に専念する.

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