続編 第三話  <No.5>



では現在は既定のルートや位置通報点が決められていない空域の場合はどのよう に位置通報を行っているのかといえば現在は主として東西に飛行する場合だが 東経150度,東経160度という ように10度ごと経度をクロスする際にそこの緯度経度を北緯何度,東経何度 というようにして位置通報を行うことになっている.但し,10度間隔を 飛行するのに80分以上かかる場合は東経145度,東経150度,東経155度 というように経度5度毎になる.主として南北に飛行する場合は経度の 変わりに緯度の10度(例,北緯20度 北緯30度)が使われるが, 経度の場合と同様に間隔が80分以上だと緯度の5度が使われる.

3.通報時点での時刻

世界標準時間,つまり グリニッジ標準時(G.M.T)である.

4.高度,

位置通報時点での高度,フライトレベル

5.次の通報位置と予定時刻

次の位置通報の予想位置,もしくは予定している位置通報点 とその到達 予定時刻.

6.次の次の予定位置

次の次の予定位置のみで時間はつけない.空域によっては省略されることが多い.

7.到着予定時刻

目的地への到着予定時刻,ETA である.

8.燃料情報

その地点での残りの燃料の量をレポートする.残りの燃料で後何時間飛行 できるかという時間で報告されるか,または燃料の残量そのものを何ポンド とか何トンとかいう形で報告される.

9. 温度情報

報告時の外気温度

10.高層風の情報

スポットウィンドとしてその地点で遭遇している高層風を報告する.

11.乱流情報

乱流,晴天乱流に遭遇した場合はその規模もふくめてレポートする.

12.着氷情報

着氷に遭遇した場合はその規模もふくめてレポートする.

13.天候

顕著な雷雲等に遭遇した場合にレポートする.

以上 1項から6項までを SECTION 1 と言い,位置通報に必ず含める 項目である(6項は省略可). 7項と8項はSECTION 2 といわれ RANGE CONTROL のための情報で,RANGE CONTROL の不要なフライトでは省略される. 以後の9項から13項までは SECTION 3 と言われ,ご覧のように天候情報であり 位置通報に含むか含まないかはその空域を管轄する気象関係機関により定められて いるのでそれに従うことになる.

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