第二話 <No.5>


コンピュータの登場により仕事の内容が大きく変わり影響を受けた職種は数かぎりなくある であろうが運航管理ももちろんそのひとつである.昔の運航管理者が汗をながしながら, 作成したフライトプランは当然の事ながら乗務するパイロットや航空士により,それ相応の 高い評価と感謝の念をもって扱われた書類であった.それが,昨今ではキーボードの何処を 押すかさえ知っていれば,それこそお猿さんでも作れます....といったフライトプラン なので受け取る方も軽い気持ちで扱うのではなかろうか...といった事を在職中に感じた ことは否めない.

航空会社がお客を運び始めた初期の旅客機の運航乗員は大型機の場合,機長,副操縦士, 機関士,通信士,航空士 と少なくとも5人の乗員がいたわけだが,まず最初に通信士が コックピットから消え,次にコンピュータの登場により航空士がコックピットから消えた のは周知の事実である.昨今ではコンピュータのもたらしたグラスコックピットとやらで, 機関士までが消えてしまい短時間飛行ではパイロット二人での運航が当たり前になって しまった.

よく業界では知られているジョークだが,近い将来コックピットにはパイロット一人と ワンちゃんが一匹のるようになるだろうというのがある.パイロットは犬に餌を与える 為,犬はパイロットが居眠りを始めたら噛み付いて起すため...もっとも,このジョーク には,いろいろ変形があり,犬が猿になったりしているのもある.

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