日本の空からの玄関 昔羽田,今成田 <No.8>


風の影響・図解
先ず右の図を見て欲しい.状況をわかりやすくするために,かなり誇張している図面であることを 先ずお断りしておこう.この図で A から B に飛行するのに 青い線の直線を飛ぶと,殆どの場合 横風を受けて飛ぶようになるのはお分かりだろう.しかし,赤い迂回ルートを飛ぶと全行程,追い風 をうけて飛ぶ事ができることもお分かりだろう.当然,この長い赤い迂回ルートを飛ぶ必然性は余程 の追い風が予期される場合のみとなる.しかし,ご承知のごとく高層では ジェットストリームと よばれている強い偏西風が地球の高緯度のあたりを蛇行しながら吹いているので,200 KT ぐらいの 追い風を受けることも希ではない.

この図は北半球において低圧部を中心とした場合の風のパターンを示している.北半球では風を 背にして立つと低気圧の中心は左側にあるという ボイス・バロットの法則が良く知られている. 地衡風の理論によると,地衡風とは気圧傾度による力と偏向力とが, 釣り合って等圧線に沿って吹くという理論上の仮想の風であるが,下層で地形などの摩擦力が 無視できない地表面ではなりたたないが,航空機の運航する高層では地形などの影響など は殆どないので,風は等圧線の沿って吹く,また等圧線の間隔が狭いところほど,つまり気圧傾度の 高いところほど,より強い風が吹くということが成り立つので,それにもとづいてフライトプラン のルートをきめたのである.

(第一話終り)
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