台風を個々に識別する    〜その1〜
  温帯にできる低気圧には、日常的な段階において一つ一つ識別番号などをつ けて個別化することはしないが、台風はそれぞれを特定した方が、状況の説明や行動の予測を通知するのに具合がよい。それでも温帯低気圧にも大きな災害をもたらした様なときには、後での調査・研究などのために名前が付けられることがある。しかしそのためか名前付きの低気圧には暗いイメージが伴う。
  台風の識別のため国内で使われているものに番号がある。正式には西暦年数の下二桁と、その年に発生した順番を示す二桁の番号を組み合わせた四桁の数字で命名される。国内の一般向け気象情報では、簡単のためにはこの内の下二桁による番号が使われ「台風X号」などと呼ばれている。
  日本国内の一般気象情報では、戦後の一時期を除いては余り使われなかったが、台風に外国人名の愛称が付けられていた時期があった。50年ばかり前に戦争が終わり、アメリカの軍隊が日本にやって来たが、彼らアメリカ人には何にでも、特に女性名の愛称を付けるという茶目っ気があった(思い出したくないが、日本本土へ原子爆弾爆撃にやって来た爆撃機にも名前が付けられていた)。ご多分にもれず、台風にも女性の名前(日本女性名はなかった)が付けられた。アメリカ領域にできるハリケーンにはそれ以前から女性名が付けられていた。
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