視程障害  〜その2〜
  とにかく「見える」度合いは、個人差を除けば空気中の「透明度」によって決まるといえるらしい。という意味は透明度が同じなら、暗いということを除けば夜でも昼間と同じだけの見え方ができることである。そこで逆にその透明度を表現する手段の一つとして、どの位遠くまで見ることができるか、その距離を測定してその数値を示す方法がある。これを気象観測の専門用語では「視程(してい)Visibility」と呼んでいる。しかし航空ではこの視程の値を透明度の目安として使うのではなく、パイロットが直接認識可能な「視界」または「視野」の広さを示す尺度として活用している。

  大気中に存在する自然現象が、通過する光の強さを減衰させるのなら、その自然現象の性質や発生原因などを知っておくのも良いことである。そこで大気中に存在するこれらの自然現象について、ちょっとおさらいしておこう。その上で、航空機を飛ばすときにどの様に対処しているのかを話すことにする。

  航空という空を飛ぶのが目的であっても、自然環境の状態によっては飛び立 つこと自体をしばらく待ったり、時には断念しなければならないこともある。
自分が航空機を飛ばす立場であれば、その自然現象の性質や規模の程度によってこれからどうしたら良いのか、当然自分で判断しなければならない。一方乗客としては、空港に来たとき天候によっては搭乗便の出発予定時刻が変更になっていることがある。これからの日程を考えると困惑するばかりでなく、腹立たしくなることも起こる。その様なときにも多少でも気象現象と航空機の運航との関係を知っていれば、航空会社の係員が説明する遅れの理由も理解でき、運航予定の変更を納得できるのではないだろうか。
(C)2001 KATOW-Kimio

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