霧   〜その3〜
  飛行場の立地条件や、季節・気候によっては、霧により視程値が長期間の間運航制限値を下回ることがある。この状態が続くと定期航空会社にとっては、運航を正常に保つことが出来なくなる。何とかして邪魔になる霧を除かなければならない。

  過去の試みとしては、霧の上から水・氷・ドライアイスなどを撒き、霧粒を大きな水滴として集め、雨のようにして降らせてしまう。そうすると一時的にその部分に穴が空く。滑走路に沿ってそれを行えば、帯状に霧のない空間が出来る。そこを使って飛行機は離陸・着陸をすれば良い。いつまでもその空間が続いている訳はないので、再び霧で閉ざされる前に効率よく利用しなければならない。

  もう一つは、滑走路の横に燃焼装置を設置して、空気を暖める。そうすると霧粒は蒸発するので視程は回復する。しかし広い範囲の、自由に動き廻れる空気を暖める訳であるから、限られた部屋の暖房をするのとは違い、莫大なエネルギーが必要になる。経済的な効率を考慮しながらの運用であったろうが、現在はどうなっているのだろうか。
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