霧   〜その1〜
  まず初めに挙げた霧だが、これはどうと言うこともない現象で、「牧場の朝霧」「谷間の霧」などと長閑な風景を思い起こさせる。しかし一方では「濃霧で高速道路上の玉突衝突事故」「霧の海峡での船舶事故」などと芳しくない事件の張本人にもなっている。航空関係でも、未だに語り継がれている「テネリフェの悲劇」としての航空機事故もある。この事故の詳細は別に聞いて貰うとして、「霧」の話しをしよう。
   注)「テネリフェの悲劇」のあらましについては、この「悪天候」の幕間に提供する。

 まず霧の素性
  素 材・・・・・・水
  形 状・・・・・・微細な球形
  行 動・・・・・・空中に集団で浮遊
  特 技・・・・・・視程不良による事故を引き起こす

  別の項目の中で紹介する現象の霧雨との明らかな違いは、大きさが霧の方が 遥かに小さい。そのために霧は空中に長く浮かんでいられるが、霧雨は下に向かう運動、すなわち地面に落ちて行く。

  一つずつは微細であるが、集団で存在するための光の透過を妨げるので、視 程を悪くする原因となる。飛行機や地上施設の性能が向上して、視程距離がゼロであっても運航出来るようになった。しかし、パイロットの眼による視認を必要とする行為は、まだまだ存在する。他から得られた情報の不正確さも重なっていたが、眼による視認が困難であったために、滑走路上で地上走行中の飛行機同士の衝突事故が起こっている。その例の一つが前述の「テネリフェの悲劇」である
(C)2001 KATOW-Kimio

←BACK   NEXT→