向かい風・追い風シアの影響 〜その1〜
 向かい風シアとは前に「向かい風成分が増加するかあるいは、追い風成分が減少するときに相当する」ということに約束した。そして慣性の法則による対地速度が一定であるためには、対気速度が増加することになる、と前のページで話した。
  そうなると固定翼を持った飛行機では、対気速度の増加によって揚力が増すから、それまで飛行していた高度よりも上方に向かって変位する。しかし一方、対気速度が増加したことにより同時に抗力も増えるため、その影響が効き始めると減速をして、再び推力に見合った対気速度に戻って安定して行く。(WS-13図)
  当然のことながら、対地速度は向かい風成分の増加した分だけ遅くなっている。しかし飛行している面は前とは異なったものになっているはずである。この場合には前よりも上方の高度を、それまでの高度とは平行に飛行していることになる。そこで指定高度を維持するために降下しなければならないのであるが、これは別の話である。
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