どんな乱気流があるか 〜その1〜
 乱気流に遭遇したり、存在しそうな環境・気象状態はどんなもので、幾通りもあるのだろうか。そうすると乱気流には違いが出るのかな。こんな点に付いての話を進めていくことにしよう。

 まず、積雲や積乱雲のような対流雲の内部や、雲頂より上のごく近くは必ず乱れがあると考えて良い。対流活動による空気の上昇流・下降流の速さは均一ではなく、それによって生ずる渦による乱れである。この現象は古くから判っていた。
 前にも話したように、それが乱気流として「悪さ」を働くかどうかは、航空 機の大きさや動きなどとの兼ね合いで決まる。昔、その中に入った飛行機がその乱れによって悲惨な目に遭った。乱気流を経験・認識したことになった。その後も、重量のある巨大航空機が木の葉のようにモミクチャにされ、墜落事故になったこともある。これは雲の中の対流が激しくて、その結果として生じた乱れの規模が巨大航空機に合った乱気流だったということである。
 貴重な経験を経て、このような対流雲による乱気流であれば、視認できるであろうこれらの雲を努めて避けるように飛行すればよいことが判った。

 航空機特に飛行機の性能が良くなり、次第に高高度を飛べるようになり、雲が存在しない空域で突然激しい乱気流に遭遇することがある。大気中に雲がありその雲の動きが乱れていたりすれば、その空域の大気に乱れのあることが判る。しかし付近に雲もなく乱れの確認もできず、安定した気流と思われていた空域に起こる乱気流は厄介なものである。
 これは「晴天乱気流(Clear Air Turbulence - CAT)」と呼ばれていて、発生原因・環境・予測方法などが研究された。まだ完全に解明し尽くされたとは言い難いが、遭遇の可能性がある空域の予測は行われている。
(C)2001 KATOW-Kimio

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