乗り物の揺れ 〜その1〜
 ところで、日常的な地上交通機関の鉄道の車内にいても、多くの場合車体の揺れにより影響を受けている。ときにはかなりの揺れがあって、立っていられないこともある。しかし怪我をしない限り余り苦情が出ない。これは地表を走っているので安心しているのだろうか。余りひどく揺れて転覆でもしない限り、停止すれば揺れは納まることを多くの人は知っている。ところが飛行機に乗っていると、少しの揺れでも不安になる人は少なくはない。ひどい揺れを経験した人、ましてや揺れに酔った人はそれ以後搭乗に二の足を踏むようにもなる。揺れるとそこら中でギシギシ音を立てることがあり、地表から離れているため、落ちるかも知れないと心配する。空中では揺れを止めるためにそこで飛行を停止する訳にはいかない。
 飛行機の揺れを起こす原因の多くは、いわゆる「乱気流」である。物理学の中には流体力学という分野がある。その中では流体の流れを、均一な流れの「層流」と不規則な成分の「乱流」に分けて考える。大気は気体なのでやはり流体である。気象学でも理論部門では大気の振る舞いに流体力学を適用して扱う。この中で扱う「乱流」は英語でTurbulenceまたはTurbulent Flowと呼んでいる。これに対してここで話題にしている「乱気流」のことはAircraft Turbulence と呼んで区別するようにしている(混用している 人も少なからずいるが)。ついでだが層流はLaminar Flowと呼ぶ。
(C)2001 KATOW-Kimio

←BACK   NEXT→