雷活動に対するもう一つの立場  〜その2〜
  気象観測機器は、最低の基本的な機器が、どこの飛行場にも配置されてはいる。ただどの種類の機器がどんな配置にされているかは、個々の飛行場で違うだろう。ましてや雷探知のための特別な装置があるのは、ごく限られた飛行場だけである。それにも関わらず雷雲の襲来は、観測機器の配置にはお構いなく、気象環境によって決まる。そこで気象情報に注意しながら、雲行きなどを良く観察していればある程度の予測はつく。特に野外に居れば雷本体接近の前兆は感知できることが多い。
  前にも話したと思うが、夏には市街地でも上空に積雲の発生することがある。これは都市のヒートアイランド化現象とエアコン用の冷却水の蒸発などによる水分の供給によるものとも言われる。同じように飛行場の規模によっては、ターミナルビルの真上に突然積雲が発生することがある。こんな場合には雷雲の発生・襲来を予知することは困難かも知れない。
  それでも、こんなことは特別なことで、通常は雷雲の発生は予測され、気象機関からは注意報・警報が発令されているであろう。また雷の発生が離れた場所であっても、それが実際に襲来する前には兆候が現れることが多い。野外に居て肌身に感じる兆候とは、突然の冷風の訪れであったり、電光が走ったり、雷鳴が轟いたりするのを直接見聞することである。
  冷風が到達するということは、その親元である積雲ないし積乱雲の内部では降水現象が始まっていて、それに伴った下降気流が吹き出して来たことを意味している。親雲はごく近くに来ているかも知れないし、まだ10Kmも離れているかも知れないが、それは昼間であれば目視で判ることである。何しろ周囲は比較的平坦で見通しが利くであろう。夜であると目視は困難であるが、次に起こる現象などでも知ることが出来るだろう。
  また、電光による光を感じるということは、親雲がすでに積乱雲にまで発達して、放電現象が始まった、つまり雷活動を開始していることを意味する。これはかなり遠い内、例えば30−20Km、からも見られる。特に辺りが暗い中では余計に鮮明である。
  さらに、雷鳴を聞くようになれば、俗に「雷三里」と言われるように、積乱雲本体がおおよそ10Km以内には到達していると思えば良い。
(C)2001 KATOW-Kimio

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