雷活動に対するもう一つの立場  〜その1〜
  ここまで余りにも航空機自体の運航を中心とした視点で、航空機事故の回避につながる話ばかりしてきた嫌いがある。航空と気象の関わりは、航空機自体だけでなく、その周りにいて運航を助ける多くの部署で働く人たちにも及ぶ。その中でも主として野外に居て、気象環境に直接身を曝している人たちは、雷雲からの降水現象、取り分けひょう、あるいは放電(落雷)による感電には神経を尖らせることになる。
  航空法による制限のため、飛行場内は原則として、一定の高さ以上の建造物の存在しない平坦な広場、と考えられる。実際には航空管制塔・ターミナルビルや駐機場の照明塔などもある。そこには避雷針が設置されている。避雷針の先端から45度の角度で開いた円錐形の内側は、落雷から免れると言われている。それでも飛行機回りおよび関連した作業が行われる全ての場所を覆っている訳ではない。
  一方、雷活動の発生する頻度や季節が地方により異なるため、それぞれの飛行場によって雷活動対策には差があろう。このため飛行場における雷探知の装置が設置されているところばかりではない。従って雷活動の監視方法に関しては、それぞれの飛行場の運用者あるいは利用者が個々に対処しなければならない。
  今までに話してきた基本的な雷に関することは、どの様な立場から見ても変わらない事実であろう。しかしこれが自分の置かれた立場に対して、どんな現れ方で影響してくるかは別に考えなければならない。その手助けになると思われる筋道について、これから少し話してみることにしよう。
(C)2001 KATOW-Kimio

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