雷雲からの降水現象  〜その2〜
  氷晶の塊の表面に水滴が付着して濡れたり、下層の暖かい空気に触れて表面が融けたりした後、上昇流に再び吹き上げられて氷点下の空気層に入って凍る と、霰あるいはひょうと呼ばれるものになる。これらが降水として落下してくる空域では、航空機の機体などに損傷を与えるようなこともある。対流雲の雲中や雲底の下が予定経路であれば、可能な限りその空域に入らないような運航をすれば難を避けることができる。しかし雲の外側でありながら、ひょうによる被害が報告されたことがこれまでにもあった。調べてみたところ、対流雲の雲頂がかなとこ雲になっていて風下に延びており、航空機はそのかなとこ状の雲の直下を飛行していた。対流雲中で発生して上昇流により上空に運ばれ、かなとこ雲と同じように上層風で流されて来たひょうではあるが、上昇流という支えを失ってしまったため落下してきたものであった。対流雲を回避するために迂回するならば風上側に回るべきである。少なくとも尾流雲の中に突入したり、その下を通過するようなことは避けるべきである。
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