初期突風・下降奔流など ・・・ 初期突風(First Gust)〜その2〜
  初期突風はその親雲の進行速度よりも速く広がり、その先端部(突風前線−Gust Front)は親雲より数キロメートルも、時には20キロメートルも先に達することが知られている。この場合のように、積乱雲は滑走路端から遥か離れたところに存在していて、初期突風だけは飛行場に到達していても不思議ではない。
  この事例でも滑走路の両端に風の測器があれば、その違いにより初期突風が来襲しているという現象の異変が判ったはずである。この事件のためだけではなく、いろいろな経緯を経てその後数年の間に、全国の飛行場の内二千メートル級以上の滑走路には、その両端に風の測器が設置されるようになった。それ以下の長さの滑走路にも次第に設置されていった。そのため今では航空機の運航に携わるほとんどの人が、滑走路の両端に風の測器があるのは当たり前と思っている。しかし事故を防ぐ対策のためのこうした努力に対しても、飛行場という限られた地域にこのようにたくさんの観測測器があるのは贅沢だ、と思っている人々が現在でも少なからず居る。
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