雷活動の特徴
  雷の親雲が発生して消滅するまでの一生の間には、現れてくる気象現象は幾つもあるけれども、大きく分けると三つになるだろう。それは、
  1. 雲の発生・成長に欠かせない上昇流、その後の下降流、という空気の対流活動、
  2. 雲粒の衝突・併合の結果大粒に成長してできた水分粒子の落下という降水現象、
  3. 雲の成長時に発生する静電気の帯電・放電という雷電現象、
となるのではないかと思う。
  昔から「恐いもの」は「地震・カミナリ・・・」と言われ(この頃ではこのような言い方は知らない人も多いかも知れないが)、その二番目に挙げられている。これは主として先の三つに分けた三番目の放電による稲妻と雷鳴それに落雷、さらに二番目に挙げた中でも特に激しい降水、例えば大きく成長したひょうによる振る舞いから受けた経験が災いしているのだろう。
  確かにひょうにより、農作物の損傷を始めとして、窓ガラスや時には屋根瓦などが壊される。また、突然現れる雷のピカリ・ゴロゴロはちょっと恐ろしい感じがするが、それだけなら特に損害は現れない。人によっては心理的なショックも損害であると言うかも知れない。それはともかく、その時一しょに起こる落雷により物が燃えたり、停電が起こり事物に損傷の生ずることがある。近年では対流活動に伴う突風や竜巻による損害の報じられることが多くなった。

  この航空の気象シリーズでは航空機が主役であるので、その運航時に影響する気象現象を、ここに挙げた三つのそれぞれに当てはめて考えてみよう。
(C)2001 KATOW-Kimio

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