雷活動の親雲
〜その4〜
3、消滅期
雲中の粒子、とりわけ水滴は次第に降水として落下するので減少する。その内に上昇流も弱まり、ついには消滅して下降流だけになってしまう。雲頂の上昇は終わり、降水はしばらく続くが20分か30分もすればそれも止まる。
この時期の積雲は、細かい氷晶の集まった雲頂部分は残っているが、中層から下層にかけては降水に変わってしまい、僅かに形骸を止めているか殆どなくなってしまっているだろう。ただ実際には、次々に発生して行く新しい積雲のセルにより、抜け殻になった雲の空間は埋められていることもある。
孤立して発達した積雲では、局地的にしゅう雨をまき散らした後に雲の下の方が消えてしまい、綿帽子のような雲頂部分だけを残して浮かんでいることがある。
ここまでの話では積雲として来たが、成長過程においては塔状積雲、ある時点からは雄大積雲とか積乱雲と呼ばれる状態になる。塔状積雲や雄大積雲は、十種雲形のうちの積雲の変種である。しかし積乱雲は十種雲形の一つとして独立している。雄大積雲や積乱雲は俗に「入道雲」などと呼ばれていたが、最近ではあまり聞かれなくなった。
雄大積雲と積乱雲は外見上殆ど同じ様に見える場合がある。観測上の分類方法から言うと、積乱雲とは静電気放電が観測されるか、予測されるものを指すとされている。
(この話続く/2001.7.25)(C)2001 KATOW-Kimio
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