稲妻、夕立、突風  〜その3〜
  日常生活と関わることでもあり、古くから雷に対する調査や、学術的な研究は行われて来た。日本の北関東、アメリカのフロリダ州やオハイオ州などにおいて、それぞれに雷の研究プロジェクトが行われたのは半世紀も昔のことであった。その折りに出された報告書は今や古典とも言えるが、その成果の大部分が比較的近年までそのまま継承されて来ている。しかし、最近その中に誤りとま では言えないが不十分な記述のあることが判り、最新の測定や解析などを使って見直されている。

  ここまで単に「雷」とだけ呼んで来た。英語では "Thunderstorm" の語がそのまま気象用語としても使われている。日本では「雷雨」とか「雷電」の言葉が、気象解説や天気予報に使われていることが多い。気象観測の定義によれば「電光(稲妻)と雷鳴を伴う急激な放電があり、強いしゅう雨やひょうが降ることも多い現象」とされている。
  これからの話の中では「雷活動」の語によって、雷という現象と、それに伴う周辺の気象環境を表すことにする。雷活動と航空の関連についての話に入る前に順序として、雷雲の発生する大気の状況について知っておくことが大事なことなので、そのことについても少し触れておくことにする。
(C)2001 KATOW-Kimio

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