稲妻、夕立、突風  〜その2〜
  冒頭に「真夏」と言ったが、雷の発生は「真冬」でも頻繁である。特に日本海側の北陸地方や山陰地方では、夏よりも冬の雷の方が顕著であり、その土地での名物の一つになっていたりする。雪の多い地方で冬の初めに現れる「雪起こし」とか、日本海の「一発雷」などと呼ばれている現象もそれである。
  また昼間の出来事として例を挙げたが、夜になって上空に冷たい空気が流れ込んで来ると、陸上ばかりでなく湖上や海上でも雷が発生することがある。これはまだ地表(水面)が暖かくて、上昇する湿った空気塊が雷雲を作るためである。
  近年の特異な例としては、立ち並ぶビル群に設置された冷房機器からの排熱と水分による、夏季の人為的ともいえる環境変化によって、雷雲が発生することもある。冬季でも、暖房からの排熱や水分によって同様の現象が見られる。コンクリートの街路や建物に囲まれて、ヒートアイランド化した都会の上空に寒気がかぶさって、雷雲の出来易い状態になっているらしい。

  いずれにしても、夏の風物詩的な「カミナリ様」だけであれば気楽であるが、何らかの事故につながる原因の一つに数えられているとなれば重大である。航空においても考えておくべきことである。
(C)2001 KATOW-Kimio

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