続編 第四話  <No.16>



実際の運航で,このような方式で出発したフライトがどの程度本来の 最終目的地に到達せず,仮想目的地に降りるのであろうかと思われる かもしれないが,これが,ほとんど皆無に近いのだ.特に通常追い風がある ル−トではほとんどのフライトが最終目的地へ飛んでしまう.まれにダイバ−ト する事が起きるのは向い風があるル−トの場合で,例えば北米の 空港を出発して北太平洋を成田などに向けて飛行しているフライトが 時に向い風の予報が狂っていて予想より強風だった場合に千歳空港などへ ダイバ−トすることが起きるのだ.しかし,これとてそう頻繁に起きる事は ないので,まれにあるとあたかもずさんな飛行計画で飛行していたが如く 新聞記事では扱われたりすることもある.

計算方法は会社により違うこともあるので,ここで説明した方法を全ての航空会社 がおこなっているということではない.しかし,根本的な概念としては皆同じである. すなわち,最終目的地の手前でそれほど迂回しなくても目的地同様の 施設をもち降りられる空港があれば,ひとまずそこまでのフライトプランで 出発し,途中で必要になるかもしれないからという意味合いで搭載した 予備燃料に手をつけることなく殆どの行程を飛行できたときに, 結果的に余ったその燃料を,最後の行程のフライトプランに活用して 本来の最終目的地に飛ぶということである.

(第四話終り)

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