横風シアの影響 〜その2〜
  そこで横風シアがあった場合はどうだろうか。
  横風シアの表現の約束については前に述べた。そのなかで、例えば横風成分がなかったのに突然左からの横風を受けた場合のことを考える。機体の進行は目的地より右の方へ逸れることになる。それを修正するには機体の向きを左に向け、目的地を正面より右側の斜め前に眺める形にする。これを左に「偏流角 - Crab Angle 」を取るというが、どのくらい向きを傾ける(偏流角を取る)かは、対気速度と横風成分によって決まる。(WS-17図)
  左からの横風シアの後の三つの場合についてもそれぞれ考えてみよう。(WS-18図)
  左からの横風成分がその時点以前よりも増加した場合、それまでも左に偏流角を取っていたはずだが、その量を増やすことになる。
  次に右からの横風成分を受けていたのが、急に左からの横風成分になった場合は、いままで右に偏流角を取っていたのを左に偏流角を取るように変える。
  最後は右からの横風成分が減少する場合であるが、右に取っていた偏流角の量を減らせばよい。
  横風シアも巡航高度での遭遇で、空間的に充分余裕があれば余り問題にならない。さらに今では自動操縦(オートパイロット)に入れておけば、コンピュータの制御によって自動的に偏流角の修正はしてくれる。(実はそうなるように専門家によってプログラムがされている訳で、理屈を知らなければプログラムもできない。)
(C)2001,2002,2003 KATOW-Kimio

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