風シアとはどんなもの    〜その2〜
  飛行機がA点からB点に移動する間に、無風状態の塊から向かい風成分の塊に移った状態になった場合「向かい風シア」を受けたと呼ぶことにする。同じ二点間を移動する間に、向かい風成分が増加したり、追い風成分から向かい風成分に変わったとき、向かい風シアと呼べることは解ると思う。ちょっと解り難いのは、追い風成分が減少したときにも、向かい風シアと呼ばれることだろう。これはその様に決めた、として納得するより仕方がない。
  同じように考えると、追い風シアについても解ると思うが、向かい風シア・追い風シアを図解した方が解り易いかも知れない。(WS-6図)
  横風シアについても同じような考え方をすれば良い。飛行機がA点からB点に移動する間に、横風成分の無い状態から例えば左からの横風を受ける状態に変化する場合、左からの横風成分が増加したり、右からの横風成分であったのに左からの横風成分を受けるように変わる場合、さらには右から受けていた横風の成分が減少する場合も、感覚的には全て同じ左から右への横風シアと考えて良い。(WS-7図)
  前の文章の右と左の文字を全て入れ換えたものが、もう一つの右から左への横風シアの仲間として考えられる。
  最後に上下方向の成分、上昇流と下降流についてであるが、後で飛行機の運動との関連について話すときに取り上げることにする。
  いろいろな種類の風シアについての意味の取り決めはこのようになっている。それでは、風シアによって、飛行機がどのような影響を受けるのかについての話に入ることにする。それぞれの風シアが飛行機に及ぼす影響を知っておくと、飛行機の運航に直接携わることのない部外者や、搭乗するだけの人であっても、風シアの危険性について認識して貰えると思う。
(C)2002 KATOW-Kimio

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