航空機に対する風    〜その2〜
  他方、大部分の航空機は空気の中を自分の力で動いている。この場合には、どんなに大きく重い航空機でも空気と一緒に流されながら、その中で航空機は独自に動いている。そのため空気の動きと航空機自体の運動の合わさったものが、地表面から見たときの航空機の動きとなる。その有り様を地面から見ていると、航空機の向っている方向と実際の進行方向がずれていたりして、動きが異様に感じられるときがある。
  そこで風の方向と速さをこれからの話に合うように分けてみよう。航空機の進行方向に平行な前後の向き、それに直角な左右の横方向の向き、そしてこの二つの向きにそれぞれ直角な上下方向の向きを考える。そうしておいて、風の速さをこれら三つの向きに分け、それぞれを平行(X)成分・横方向(Y)成分・上下方向(Z)成分と呼ぶことにしよう。(WS-3図)
  航空機を包み込む空気の塊を考える。この塊が地表に対して動いている、即ち風であるから、航空機の進行方向と同じ向きの平行成分を追い風成分、逆に進行方向とは反対の向きを向かい風成分と呼ぶ。また横方向成分が横風成分、上下方向成分のうち上向きが上昇流成分、下向きを下降流成分と呼ぶことにしておく。(WS-4図)
(C)2002 KATOW-Kimio

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